育児休業

男性が育児休暇をどれだけ取っているのか数字で考える。育休を取りたいパパ、取って欲しいママに見て欲しい。

2021年1月1日

内閣府から2020年5月に発表された出生率は1.36でした。

国が人口を保つために必要な出生率が2.07と言われており、人口減少は避けられないことは出生数からも明らかです。出生率を上げるために政府が色々な対策を講じておりますが、あまり成果は上がっていないようです。

出生率が低下している理由としてはいくつかあると思います。結婚をしないという選択肢を持つ方も増えましたし、結婚はしていても子どもを持たないという選択肢を取る方も増えております。子育てが大変だからとか、子育てをするお金がないからとか、色々な理由があがっていますが、私自身が考える出生率が低下してきた理由は、生きる選択肢が以前より増えたから、ということもあるのではないかと思っています。

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はじめに

私の友人もみんな育児をしていますが、色々な家族の形があるので、お父さんが絶対に育児休業を取った方がいいということはないということも感じています。例えば、ママが実家に帰って里帰り出産する方が精神的にも楽というパターンもあるでしょう。

しかし、晩婚化により親の介護タイミングと育児タイミングが重なってきたり、育児中でも実は自分たちの両親も働いているので実は頼ることができない。という事態もあります。

そういった方々には育児休業をお勧めしたいと考えています。

また、私が育児休業を推している理由は、結婚はして赤ちゃんに恵まれたけれども家族からの精神的な援助がないために育児ノイローゼになってしまったり、結果として命を絶つという決断をせざるを得ない方を少しでも減らしたい!という思いからです。

私は第一子が生まれた時はサービス残業の多い日系企業に勤めており、朝は6時半に家を出発し、夜は早くても21時、飲み会が続くと家への到着が午前をまわることが多々ありました。父親として土日は全て子どもと関わっており、自称、良いお父さんでしたが、平日のことを考えると良いお父さんと言える状態ではありませんでした。

育児書にも、赤ちゃんを育てるためには一つの村が必要と書いてある通り、赤ちゃんを育てるためには母親一人の力で育てていくよりも、何人か力を合わせて子育てしていく方が子どもがよく育ちます。

特に出産直後の産褥期は母親はホルモンバランスが劇的に変化し、精神的にも不安定な状態です。

こんな時にストレスを抱えた父親が帰ってきて、家で好きなことをやったら、さらに不安定さを増すことは間違いないでしょう。

 

私自身も第一子の時は育児に対してしっかり向き合えていなかったのだと、今でも実感しており、一方で2人目が生まれた時に育児休業を取得し、妻と赤ちゃんとに向き合ってきたからこそ、母親を支える家族の大切さを身に染みて感じます。

また、昨今では核家族化が進み、地方から上京してくると、里帰り出産をしないという選択肢を持つ人も多いはずです。そんな時に必要なのが父親の力なのではないかと感じています。

私が育児休業を取るに至った経緯

人は前例から学ぶ

私が育児休業を取ろうと思った理由は、転職先で育児休業を1年間取っている方に出会ったからです。その方は復職と共に会社を辞めてしまったので、話す機会はありませんでしたが、私の中に、次に子どもが生まれる時はこの人のように育児休業を1年間取ろうという決意がつきました。

そして、妻の妊娠が判明した時、私自身もキャリアを捨て育児休業を取ることにしました。その後も私がいる組織では育児休業を3か月取る人が現れたりと、育児休業を取得する人が増えてきているように感じました。やはり、少しでも前例があると育児休業の取りやすさは変わるのだと思います。

出来れば先駆者でありたい

私が父親として育児休業を取る際に、どれくらいの人が育児休業を取れているのかが気になり、いくつかのデータを照合しながら解析してみました。

さて、今回の調査は私の検索能力の限界でH30年度調査をもとに解析しています。

(*最新の調査は2020年7月31日に完了しているらしく、男性は7.48%の育児休業取得率ということになっていますが、ひとまず6.16%だった調査結果をもとに話をしたいと思います。)

H30年度の出生数は92万人(多胎も含まれているので、この数字がそのまま父親の数ではありませんが、便宜上92万人に6.15%を乗じます)だったのに対して、育児休業を取得しているのは、約5万6千人ということがわかりました。

しかし、5日未満の取得者が3割強であり、産褥期のサポート(3か月未満)までを考えると、9割近くが3か月未満の育児休業取得者でした。

ちなみに、1年取得する人はというと、約2%で全国でも1000人程度のようです。

育児休業の給付金が66.7%から50%に落ちる6ヶ月以降の育児休業取得率は全体に対して4%(合計2200人程度)にまで落ちます。

先駆者とまではいきませんが、長期の育児休業を取得することで世の中から見ると少数派の部類となりました。

育児休業を取れない理由

私は世の中の男性が育児休業を取れない理由は3つあると考えます。

1.育児休業を取れる雰囲気ではない。

(休みを取ったら、昇進・昇給はないよ?という無言のプレッシャー。*もちろん法律的にはNGです)

2.育児休業と取れることを知らない。また、育児休業を取得することで給付金を貰えることを知らない。

3.仕事をしている方が自分の性に合っている。

1、2の解決策は、育児休業を取る風土がある会社への転職、3の解決策は夫婦の間での話し合いかなと思います。

 

最後に

育児休業を通して子どもが得られるもの

私自身が育児休業を取得して感じることは、大人の数が多い状況で、育児をすることで子どもが笑っている時間が増えるような気がします。精神的に安定している証拠なのではないかと感じます。

これは、赤ちゃんに構ってあげられる時間が増えることで、子どもも反応する時間が増え、人間(ホモサピエンス)としての能力を高めていくものだと思います。

脳の50%が出来上がる1歳までにしっかり関わり、80%が出来ると言われる3歳までを大切に育てることが大切であり、育児休暇は取った方がいいなと改めて思います。

取得することによるメリットは先々の先々の約20年に及ぶ子育てを軽減させるのではないかと感じます。

育児休業を通して父親が得られるもの

また、父親が育児に関与するというのは、父親が精神的にも成長することを意味すると感じています。育児を通じて、メリットやデメリットなどの提示のみでコントロール出来ないものと対話することになり、これらの経験を通じて相手のニーズを表情や動作からくみ取る力がついていきます。

仕事はメリット・デメリット、目標を達成できるかできないかで話が片付くことが多く、だいたいの場合これらを明確にすることで事が進んでいきます。

一方で赤ちゃんは損得勘定で生きている存在ではなく、本人の好奇心、新しい世界との出会いを通じて自らを成長させています。

こんな子どもたちには、理屈は通じないので、しっかり相手のニーズをくみ取り、そのニーズを適切に満たしてあげる必要があります。

子どもと多くの時間を関わっている子育てを経た女性はリーダーとしての素養がついていると聞きます。これは、こうした力を育児などを通じて必要な素養を培っているからに他ならないのではないかと感じています。

私も育児を通して、リーダーとしての適性と育児における適性は似ており、育児休業から復帰した際に役立つに違いないと自負しています。

少しでも多くの父親がもっと多くの時間を子どもと関わり、子どもの教育を通じて社会でもリーダーとしてその力を発揮することを願ってやみません。

 

参考文献
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/consortium/04/pdf/houkoku-2.pdf
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei18/index.html

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